こにしき(言葉・日本社会・教育)

関西学院大学(言語社会学)の寺沢拓敬のブログです。

全国英語教育学会と小学校英語教育学会の発表要旨をテキストマイニング/テキストスクリーニング

前口上

今日も元気に中教審の議事録をコピペして整形するだけのお仕事をしています。で、だんだん作業が嫌になってきます。はっきり言って読んでいても楽しくない。

英語教育政策の研究として、こういう基礎的な研究は重要だということは認識しています。ただ、一般メディアのインタビューや商業誌コラムなどで(余技として)政策語りをする研究者が多い割りに、基礎的な研究が驚くほど少ないことにちょっとアレな気持ちです。先輩諸氏、もっと真面目に研究してほしかった。ま、そのおかげで、自分の業績が増えたという話もありますが・・・。

「この業界、動機づけと語彙学習の院生が多すぎる気がする!!!ちょっとこっちに何割か回してほしい!!!」という気持ちを常々抱いているわけですが、実際この印象はどれだけ当たってるのか。ふと思い立ってテキストマイニングしてみることにしました。

神サービス・ユーザーローカル使用

使用したのは、ユーザーローカル・テキストマイニング無料ツール。このサービスは大変高機能です。テキストマイニングの基礎的な機能はだいたい網羅しています。なのに無料。

約10年前、フリーソフトの KH Coder がテキストマイニングのハードルを驚くほど下げましたが(それ以前は商用ソフトは目玉が飛び出るほど高額だった)。そして現在、ユーザーローカルがさらにぐっと下げた形です。ソフトのインストールすらする必要がなく、ウェブで完結するってすごくないですか。

分析はというと、全国英語教育学会と小学校英語教育学会、それぞれの2019年大会のタイトル・発表要旨(予稿集ではなくウェブサイトに載っている数百字の要旨)を使いました。これをフォームにぶちこんで、分析ボタンを押しました。

ちなみに、テキストの下処理はめちゃくちゃ適当です。為念。(PDFをコピペして、改行を削除して、無駄に頻出しがちだと直感で思ったキーワードを正規表現でざっくりと除いただけ)

以下が、結果です。

結果は、こちらの固有リンクからも見れますが、一定期間が過ぎると消えてしまうらしいので、以下にスクリーンショットを貼っておきます。

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総評

で、実感をどれだけ裏付けられたかというと、まあ及第点。 全体的に見ると、「語彙」は確かに多い。一方、「動機づけ」は(多いっちゃ多いが)上位には来ませんでした。あと、当たり前ですが、小学校英語の学会では「語彙」は上位には来ません。

あと、全国英語教育学会と小学校英語教育学会の比較については、「まあ、たしかにそうだよな」と思う点がいくつも見つかりました。見つかりましたが、以下略。

これはテキストマイニングではなく、テキスト"スクリーニング"

実はこの程度のことは、テキストマイニングなどをしなくてもわかることです。

正直に告白すれば、マイニング(採掘)というには、看板に偽りありです。 採掘は、地中に埋もれていて、分析なしでは発見できなかった知見(=鉱石)を掘り出すことです。よく知られている当たり前のことについて、見せ方を変えて提示したものを「マイニング」と(原理的には)呼ぶべきではありません。

ところで、英語教育系の学会では最近、振り返りシートとかプログラム後アンケートなどをテキストマイニングする「お作法」が大流行ですが、あれの大半も、マイニング(採掘)の領域に達していません。

よくあるのは、テキストマイニングなどしなくてもわかっていた知見を、「再発見」するもの。言うなれば、テキストスクリーニング(分析器でノイズを取り除いただけ。なぜノイズがわかるかといえば、最初から絵が見えていたから)

また、大量の混沌とした文章を、分析器で分解して、少量ではあるがやはり依然として混沌とした文字列に置き換えただけのもの(テキスト・クラッシング text-crashing)。ソフトが出力した図だけをバーンッと見せるだけでたいした解釈はしない。テキストを壊して並べただけ。

何となく科学的な装いをしているため、画期的な手法だと感じて手を出す院生の人がいるのもわからんではないですが、そもそも自分がやろうとしていることに合っているかどうか見極めてほしいものです。

そのためにも、とりあえず体験してみて、テキストマイニングでどんなことがわかるのか(どんなことであればわからないのか)を理解しておくべきでしょう。その点で、ファーストステップのハードルが異常に低い、ユーザーローカルテキストマイニングは便利です。

『中央公論』2019年8月号「『グローバル化で英語ニーズ増加』の虚実」

中央公論』2019年8月号に寄稿しました。

タイトルは「『グローバル化で英語ニーズ増加』の虚実」。2015年に出た拙著『「日本人と英語」の社会学』第9章をベースに、その後4年間の動向を加味して論じました。

小見出しは以下のとおり

  • 英語使用は増えている?
  • 2000年代の統計
  • 世界的不況の影響
  • 今後のゆくえをデータで予測する
  • 訪日外国人の動向
  • 貿易の動向
  • まとめ―地に足の着いた議論を

www.chuko.co.jp

大学院・学会に出没する虚言癖の人にご注意

大学院生へのアドバイスシリーズ!(過去記事:
学会発表での不規則質問(大演説)への対処 - こにしき(言葉・日本社会・教育)



新大学院生(M1)へのアドバイスなるものをよく聞く。

教員との距離のとり方、同期・先輩との人間関係、DCへの応募、メンタル管理などなど。
そんななかで「先輩院生や学会に出没する自称研究者のなかにはひどい虚言癖がいるから気をつけろ」というアドバイスはめったに聞かない。

でも、これはけっこう大事だと思う。実際、分野によってはけっこう被害者は多いはずだよね。


虚言癖の院生、(自称)研究者の特徴

  • 応用系・実務系にいる。基礎研究系にはめったにいない(たぶん)
  • 実在しない史料や研究論文、分析手法、理論について話す
  • 著名な学者と知り合いだと嘘をつく

で、共同研究に誘ったり、実現可能性の薄い「若手ワークショップ」等の企画を持ちかける

詐欺師型虚言
すぐワークショップ企画や共同研究をやりたがる人(手段の目的化)に多い。人手を集めたいがために、つい実在しない研究業績(私は○○の研究をしてるんだ)とか虚偽のコネ(実は飲み仲間なんで、あの○○先生も呼べると思う)を言ってしまう。
マウンティング型虚言
たとえば議論が白熱すると、自分に知識があることを見せつけるために、ついカッとなって実在しない研究について論じてしまう
リップサービス型虚言
不安になっている院生を励ますために、つい実在しない先行研究を教えてしまう


ポイントは、騙してやろうという悪意がないことだ。とくに3番目は「頼れる先輩」という感じで虚言を吐いてくるので侮れない。

実務学問の雄(?)、教育研究はこういう院生(OD?)がほんとうによくいてマジでやばい。もっとも、人を動かす(物理的にも信念的にも)ことが評価されやすい領域なので、こういう人が排除されにくいのは当然のことではある。

というわけで、新院生のみなさん、虚言癖に気をつけましょう。大学院入学式の祝辞でも言おうかしら。

キーボード膝上スタイルにしたら肩こりがなくなった

気がする。

肩・腕に余計な力が入らないので、こっちのほうがストレスなく打てる。

しばらくは、机上においていた有線キーボードを強引に膝上においていた。 これはこれで好調だったけど、コードに引っ掛けたり、とっさに立ち上がれなかったり、そして何よりもちょっとしたマウス操作のときも大きく体勢を変えなければいけなかったので、マウスパッド付き無線キーボードを買った。

キーがスッカスカでそこは不満だけど、そこ以外は満足。

もし、マウスパッド付きで打鍵感覚が重めの無線キーボードが出たら数万円しても買おうと思う。すでにキーボードに数万円使っているので、来世で。

ぞんざいに扱っても、心が痛まないという点でスッカスカにもメリットはあるけど。

中教審第3期・第4期 外国語専門部会・教育課程部会委員、一覧

ウェブ上の委員名簿を一覧表にしたい(Rしたい・vlookup()したい)という衝動をおさえきれなかったのでつくりました。

とくに意味はありません。


  • 外専:外国語専門部会
  • 教課:教育課程部会
外専2004年4月 外専2007年7月 教課2005年5月 教課2005年12月 教課2006年8月
田村 哲夫 学校法人渋谷教育学園理事長,渋谷幕張中学・高等学校長
無藤 隆 白梅学園短期大学長、お茶の水女子大学客員教授
影浦 攻 - - - 宮崎大学教育文化学部教授
岡 秀夫 - - - 東京大学大学院総合文化研究科教授
吉田 研作 - - - 上智大学国語学部教授
金森 強 - - - 愛媛大学英語教育センター教授
金谷 憲 - - - 東京学芸大学教育学部教授
山岡 憲史 - - - 滋賀県米原高等学校教諭
松川 禮子 - - - 岐阜大学教育学部教授
松本 茂 - - - 東海大学教育研究所教授
杉本 義美 - - - 京都市総合教育センター指導主事
西原 鈴子 - - - 東京女子大学現代文化学部教授
太郎良 博 - - - 東京都江戸川区立葛西中学校長
仲野 友子 - - - 国際教育交換協議会(CIEE)日本代表部エグゼクティブ・アドバイザー
島 幸子 - - - 山口東京理科大学基礎工学部教授
萩原 裕子 - - - 東京都立大学人文学部助教
本名 信行 - - - 青山学院大学国際政治経済学部教授
中嶋 嶺雄 - 国際教養大学学長
吉田 博彦 - - - - NPO教育支援協会代表理事NPO小学校英語指導者認定協議会専務理事
田辺 洋二 - - - - 東京国際大学言語コミュニケーション学部教授,早稲田大学名誉教授
門馬 紘一 - - - - 千葉県成田市立成田小学校長
山本 文雄 - - - - 鹿児島県教育委員会教育次長
大城 賢 - - - - 琉球大学教育学部教授
池田 芳和 - - - - 東京都港区立御成門小学校長
阿刀田 高 - - 小説家
安西 祐一郎 - - 慶應義塾
安彦 忠彦 - - 早稲田大学教育学部教授
井上 孝美 - - 放送大学学園理事長
陰山 英男 - - 広島県尾道市立土堂小学校長
宇佐美 聰 - - 三菱電機株式会社常任顧問、社団法人日本経済団体連合会教育問題委員会企画部会長
加藤 裕治 - - 全日本自動車産業労働組合総連合会会長
角田 元良 - - 聖徳大学人文学部教授・附属小学校長
梶田 叡一 - - 兵庫教育大学学長
荒瀬 克己 - - 京都市立堀川高等学校
佐々木 かをり - - 株式会社イー・ウーマン代表取締役社長、
市川 伸一 - - 東京大学大学院教育学研究科教授
植木 とみ子 - - 福岡市教育委員会教育長
深谷 孟延 - - 愛知県東海市教育委員会教育長
石井 紫郎 - - 東京大学名誉教授、日本学術振興会学術システム研究センター副所長
石田 芳弘 - - 愛知県犬山市
赤田 英博 - - 社団法人日本PTA全国協議会会長
浅利 慶太 - - 演出家 劇団四季代表
増田 明美 - - スポーツジャーナリスト、大阪芸術大学芸術学部教授
渡久山 長輝 - - 財団法人全国退職教職員生きがい支援協会理事長
毛利 衛 - - 日本科学未来館館長
木村 孟 - - 独立行政法人大学評価・学位授与機構
野依 良治 - - 独立行政法人理化学研究所理事長
衞藤 隆 - - 東京大学大学院教育学研究科教授
横山 洋吉 - - - - 東京都副知事
猪口 邦子 - - - - 上智大学法学部教授
藤崎 武利 - - - - 東京都港区立三田中学校長
中村 正彦 - - - 東京都教育委員会教育長
大橋 久芳 - - - - 東京都台東区立忍岡中学校長
高橋 秀美 - - - - 東京都大田区立田園調布中学校長

『母の友』6月号 特集「英語どうする?」

福音館書店『母の友』6月号 特集「英語どうする?」に私の投稿記事(6頁)が掲載されています。

タイトルは「データで考える英語学習の本当のところ」です。

媒体によって手加減をするのは、読者に逆に失礼(逆に?)と思ったので普通の調子で書きました。


母の友 2019年6月号 特集「英語どうする?」

母の友 2019年6月号 特集「英語どうする?」