ハンドアウト(印刷資料)を配らずに、パワーポイント等のスライドだけで発表するスタイルを、よくみるようになってきた。(自分のよく行く国内学会での話)。
単に流行というよりも、テクノロジーの進歩という要因もあるかもしれない。一昔前は、PCの接続トラブルは日常茶飯事で、紙資料を手元に用意しておかないと大惨事になりかねなかった。そういう意味で、テクノロジーに対する信頼感が飛躍的に向上したという面もあるだろう。
ハンドアウトを配らないメリット
ところで、この「印刷物を配らず、スライドのみで発表」というスタイル、メリットがいまいちわからない。ツイッター界隈で少し尋ねてみた限りでは、
1. 面倒な印刷から解放される
2. 荷物が減る
3. ゴミが減る
4. 聴衆が前を向く(寝ない)
5. 史料がパクられるのを防ぐ(史料はスライドで投影するのみ)
6. アイディアがパクられるのを防ぐ
というメリットがあるそうだ。
上記が重要なメリットであることは間違いないが、1.に関しては学会発表自体が面倒くさいんだから、印刷程度の面倒臭さを省略する意味ははたしてどれくらいあるのか、という気はしないでもない。なお、6. に関しては、それがメリットなのかどうかよくわからない。史料とちがい、アイディアならば、どんな方法を使っても盗まれてしまうはずなので。
コンビニでPDFが印刷可能
しかし、もし配布資料を配らない理由が
「発表直前までパワポを作成しているため、配布資料を印刷したくてもプリンターがない。なので、印刷できない。」
という消極的な理由だったのなら、いろいろもったいない。
日本国内であれば、多くのコンビニで、プリントアウトサービスがあるからだ。(これを知ってる人が、上記の消極的理由を言うことはないだろう)
コンビニにプリンターなんてあったっけ?と不思議がる人もいるかもしれないが、コピー機がそれである。最近のコンビニには、USBメモリが挿入可能なコピー機がたいてい設置されている。USBメモリからPDFを読み込んでプリントアウトできる、複合コピー機である。詳しくは以下のページを参照。
コンビニでUSBメモリから資料を印刷できるんだ! - NAVER まとめ
発表の直前まで、パワーポイントを作っていたとしても、PDF化したうえでUSBメモリに保存し、コンビニにダッシュすれば、上記の問題は解決される。料金もふつうのコピーと変わらず、1枚10円が相場だと思う。
僕も、3年くらい前から、この方法で配布資料を印刷している。
大量のハンドアウトを研究室から会場まで運ぶ必要がなく、発表直前に印刷すればよい、という手軽さもあり、発表資料が数日前からできている場合でもこの方法をとっている。
大学の周りにはたいていコンビニのひとつやふたつがあるもので、いまのところ、印刷に困ったことはない。
ご参考までに。