こにしき(言葉・日本社会・教育)

関西学院大学(2016.04~)の寺沢拓敬のブログです(専門:言語社会学)。

墓場 の検索結果:

小学校英語論争を整理した論文が出ました

Terasawa, Takunori. (2020). The Debate on English Language Education in Elementary Schools : Systematizing the Pros and Cons for Future Discussions. Bulletin of School of Sociology, Kwansei Gakuin University [関西学院大学社会学部紀要], 135, 71-93. http…

原稿の墓場。超長文。小学校英語論争

…なお待ちかね、原稿の墓場シリーズ!!! 今回は某書を執筆していて章を丸ごと削りました。 暫定で墓場にはいってますけど、受け入れてくれる媒体を絶賛募集中です。でも、まあ、所属先の紀要が無難かな。文体が学術さに欠けるのにはちょっと不安があるけれど。 2021-01-14 追記 こちらの記事を論文にしました。→ http://hdl.handle.net/10236/00029131 より構造的に、より読みやすく、そして正確に書いてあるつもりです(英語ですが)。 第NNN章 導入の…

原稿断片の墓場――学習指導要領解説(2017年発行)の改革根拠をめぐる記述に対する批判

…なお待ちかね、原稿の墓場シリーズ!!! 第2節 教科化・早期化を批判的に考察する 第1章から前節までは、これまでの政策過程・歴史的経緯に注目し、いきおい政策の内容に関しては踏み込んだ価値判断を控えてきた。 一方、本節では、本書執筆時点で最新の小学校英語改革である2020年4月からの教科化・早期化をとりあげ、その政策内容の問題点を批判的に検討したい。 前章でみたとおり、2013年6月に閣議決定で教科化・早期化の方向性が打ち出された。 つまり、中教審で学習指導要領改訂に向けた議論…

現行断片の墓場――2010年代のJASTEC・JESの学会アピール

…なお待ちかね、原稿の墓場シリーズ!!! ここまで、2010年代の政策過程を見てきたが、以下より政治の外の動きを見てみよう。 本節で学界の状況、次節で社会的な動向を見ていく。 学界動向 学術的な動きとしては、結論から言えば、2000年代のような激しい論争はもはや行われなくなった。 と言っても、英語教育関係者の多くが反対派も含めて小学校英語の意義に「目覚め」、ついに学界が一丸となって「小学校英語応援団」に転換したなどというわけでは決してない。 主たる原因は、推進派と慎重派の間で対…

原稿断片の墓場―2013年の小学校英語政策過程

…なお待ちかね、原稿の墓場シリーズ!!! 2013年12月 グローバル化に対応した英語教育改善実施計画 ところで、早期化・教科化の提案は閣議決定である以上、非常に重いものである。 たしかに、前節でみたとおり、これまでも教育再生会議・教育再生懇談会や経済財政諮問会議などが早期化・教科化を提案していたが、いずれも私的諮問機関の提言止まりであり、閣議決定のような強い拘束力はなかった。 さて、その閣議決定を受けて、文科省はこの第二期教育振興基本計画を具体化することになる。 その英語教育…

原稿断片の墓場――小学校英語と戦略構想・行動計画

…なお待ちかね、原稿の墓場シリーズ!!! 戦略構想・行動計画 2002年度は、日本の英語教育政策史の面で非常に大きな変動があった年である。 文科省は、7月12日に「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想の策定について」を発表し、さらに年度末(2003年3月31日)「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」を発表した (以後、それぞれ「戦略構想」「行動計画」と略記する)。 表題からわかるとおり、ふたつは対をなす文書で、今後の小中高大の英語教育の方向性を具体的に示したも…

原稿断片の墓場:「教育は会議室で起きているんじゃない(以下略)」

…なお待ちかね、原稿の墓場シリーズ!!! 小学校英語のジレンマを適切に把握するには、そのジレンマを生じさせている、タテとヨコの制約条件を理解しなければならない。 タテの制約とは歴史条件のことである。 あらゆる制度改革と同様に、小学校英語もこれまでの制度を所与の条件として、修正したり上乗せすることで改革が進められてきたからである。どれだけ未来を向いていたとしても私達は過去という制約から自由にはなれない。 一方、ヨコの制約とは、同時代的な社会条件である。 小学校英語のおそらく最小単…

原稿、下書きの墓場:「小学校英語推進派は一枚岩ではない」

書いていたときはノリノリでしたが、後から読んだら、はっきり言ってあまり意味のない議論だと悟りました。 というわけで、ばっさり削除しました。 ブログ記事にすることで供養とします。 1.0. 小学校英語推進派は一枚岩ではない 日本社会全体が小学校英語をどちらかといえば推進していることは疑いない。 小学校英語の推進は、ここ数十年の文科省の基本方針だし、この背後には産業界の猛烈なプッシュがあったことも知られている。また、数ある世論調査でも大多数の人が小学校英語に賛成である。教育産業も…

原稿から削除した脚注たちの墓場――英語教育学者のキャリアパス。全数調査の問題点。小学校英語の効果研究

とある原稿(言語政策研究の方法論的な話)を書いていましたが、編集部の指令により脚注を削除せざるを得ないことに。気の毒なのでこちらで記事化することで,供養とします。 文脈として意味不明だと思いますがすみません。 興味があったらコメント欄などで聞いて下さい。 ですます体とだである体が混在しているのもご愛嬌。 教育学者と英語教育(政策)学者のキャリアパスの違い 教育政策研究者の典型的なキャリアパスはたとえば次のようなものです。 まず,大学院として,狭い意味での教育学系大学院――つま…