日本の高校の英語教科書が、いかに「日本人らしさ」を学習者に注入していくようにデザインされているかを検討した論文。外国語教育関係者でない人のために一言注記すると、この雑誌(TESOL Quarterly)は、国内外で最もメジャーな英語教育研究誌のひとつ。こういう媒体にも、日本のナショナリズムの話が載るんだなあというのがすこしびっくりした(しかも、同論文の冒頭の一文は「Shinzo Abe (安倍晋三)が〜」である)
結論としては、高校の英語教科書の内容が、従来の「日本人論」(日本人の行動・考え方・文化はユニークだ)を再生産し、そしてその一方で、「西洋」を過度に一枚輪的にとらえている、というかんじ。以前の記事でも書いたけれど、「日本人論」、つまり日本人・日本文化の固有性を前提にした文化本質主義ってナショナリズムなのか?という疑問はわいたけれど、まあいいや。
目次
- Kokusaika: The Japanese and Internationalism
- Nihonjinron and Occidentalism
- High School English Textbook Analysis
- Conclusion