こにしき(言葉・日本社会・教育)

関西学院大学(2016.04~)の寺沢拓敬のブログです(専門:言語社会学)。

学会の意義の感受性はU字型に発達?

世間は学会シーズンだ。

修士の人が「みんな凄い!」「勉強になった!」と感想を漏らしているのを見た。

自分もおよそ10年前は同じような気持ちになったなあとしみじみ思い出した。

ただし、学会に行って総じて「行ってよかった」と思っていたのはだいたい修士〜D1くらいまでで、それよりあとはガッカリすることのほうが多かった。

もちろん学会にもよる。大規模学会であるほど、老舗学会であればあるほど、ガッカリするタイミングは遅い(あるいはそのタイミングはついぞ来ない)。まあ、当時、どういう学会に顔を出していたかは詮索しないでください。

しかし、最近になってまた再び「行ってよかった」「勉強になった」と思う機会は増えた気がする。学会/学界のクオリティがあがっているというのもあるかもしれないが、感受性にはある種の発達曲線みたいなものがあるのではないかと夢想した。

記憶を振り返りながら、以下のような仮説を考えた。それなりにいい感じではないだろうか。

修士課程時代
自分の専門分野の発表を見て刺激を受ける
博士課程時代
自分の専門分野の発表の質の低さにガッカリする
ポスドク時代
自分の専門分野とは違う分野の発表を見て刺激を受ける、かつ
専門分野の質の低い発表は仏のような気持ちで眺められるようになる