オンライン授業の一環で、MSオフィス系ファイルを本学のOneDriveで配布していたところ、何度も事故が起きました(以下に説明)。
同僚の方々に協力していただき、いろいろ検証した結果、私が OneDrive共有リンクの考え方を根本的に勘違いしていたことがわかりました。ご協力いただいた方々、ありがとうございます。
OneDrive共有リンクの考え方は一言で言えば、「リンクを踏んだユーザーに編集権限を付与」のようです。
ファイルそのものの編集ステータスを操作するわけではなく、また、編集可に招待するゲートを操作するわけでもありません。一般的なオンラインストレージの考え方と、おそらくかなり発想がことなります。(私もDropboxのイメージで使っていたため失敗しました)
どういうことか、図解したほうがわかりやすいとおもうので、以下に掲載します。
図解
要するに、一度編集許可リンクを踏んだユーザーは、「アクセス許可の管理」メニューから当該リンクを削除しない限り、編集できる状態が続くということです。
この「地雷ポイント」がクリティカルになる状況
この地雷ポイントで事故が起きるのは、
- MSオフィス系ファイルを
- オンライン編集ではなく、ダウンロードしたうえで編集してほしい
と考えて配布している場合です。
具体的には、エッセイやレポートのテンプレートを配付する場面です。
私の授業で起きた事故がまさにこれでした。
「このファイルはテンプレです。ダウンロードしたうえで自由に編集して下さい。この注意書きは提出前に消して下さい」といった注意書きを、ファイル冒頭に掲げていました。すると、受講生の一人が間違えて注意書きもろとも上書きしてしまいました。結果、後から訪れた人は「ダウンロードしてね」という指示など思いもよらず、上書き保存を繰り返すという事故につながりました。
ストレージのように考えるのは危険
ところで、そもそもこれがなぜ地雷なのかというと、共有リンクを生成する場合、「編集を許可する」はデフォルトなのです。これに気づかずファイルをばらまいてしまうと、後から気づいて「編集を許可する」のチェックボックスを外したとしても、最初のリンクを踏んだユーザーは編集が依然可能です。
しかも、私の場合は、最初のリンクを削除しなければ、いつまでたっても編集できるということに気づくのに事故発生から4日かかりました。さらに、ググってこの解決法をつきとめたわけではなく(私が閲覧したマ社および関係者の書いた記事には言及がありませんでした)、私が独自の検証をしてみて、それに気づきました。(マニュアルであればどこかに書いてあったのかもしれませんが)
というわけで、「オンライン編集」とは無縁のPDFや音声ファイルなどで配布している方にはまったく関係ありません。MSオフィス系ファイルに関係した地雷ポイントです。
また、グーグルドキュメントのように、最初からオンライン共同編集を想定している場合も、こういうのは「事故」とは呼ばないでしょう。
私のように、ストレージだと思いこんで、オフィス系ファイルを配布し、編集権限のコントロールが甘いと、この地雷はクリティカルになります。
なお、私はテンプレート等の配付には今後、OneDriveを使うのはやめます(従来どおり、Dropboxを使います)。今回の事故の原因は私のミスには違いありませんが、デフォの「編集を許可する」を「毎回きちんとミスなどなく解除する」自信がありません。もっと率直に言うと、この点は典型的なヒヤリハット案件(ミスを誘発する案件)だと思います。
どうかみなさまもご注意を。