こにしき(言葉・日本社会・教育)

関西学院大学(2016.04~)の寺沢拓敬のブログです(専門:言語社会学)。

中央アルプス茶臼山(2658m)を塩尻(奈良井)側から登る

塩尻市出身者として塩尻最高峰の茶臼山中央アルプス)に登るのはずっと悲願だった(ここ1ヶ月位の悲願)。

塩尻市には長い間、登山としてのブランドイメージがほとんどなく、一部の血迷った市民が「霧訪山(1305m)は中央アルプスの最北の山!」などと言っていた状態だった(一般的には辰野の経ヶ岳が中央アルプスの北限)。

しかし、2005年の市町村合併により旧楢川村が塩尻市に編入されることで同村の南部に位置する茶臼山(2658m)が塩尻市最高峰になった。茶臼山は西駒山荘からおよそ1.5キロ南の稜線上に位置する山であり、その意味でも名実ともに中央アルプスの一員である。

茶臼山へ直登するには伊那の桂小場から登る東側ルートがきわめて一般的らしく、ネットを調べてもそのコースばかりがヒットする。
一方、国土地理院の地図を見ると、塩尻側(北側)にも林道&登山道らしき道がばっちり記されている。元塩尻市民としては、一般的な桂小場ルートからではなく、ぜひとも塩尻側ルートから登りたいと思った。ネットにほとんど情報がなく少し不安だったが、地図にはたしかに道が、しかも比較的広い道が記されているのだ。きっとだいじょうぶだと考えて出発した。

 

し か し 、そ れ が 間 違 い だ っ た 。

 

林道は(かなり整備されていた林道だったけれど)関係車両以外は通行止めだった。

こんなこともあろうかとアウトドア用自転車を用意してきたが、数十分でギブアップ。山道の上り坂はきつすぎた。林道脇にデポ。

登山道までおよそ5キロの道のりを2時間かけて歩くことに。あとで、桂小場から来た人に話をきいたところ、桂小場からのルートであればこれほど長く歩く必要はなかったらしい。ショックを受けた。

当初は15時前に下山する予定だったので、このまま行っても帰ってこれないのではないかと思ったが、途中で時間を計算しなおした結果、どんなにバテても暗くなる前には登山道を抜けられる、最悪林道はヘッドライトで歩けばいいやと判断してそのまま続行。結局、最初の場所に戻ってきたのは17時前だった。

時間をかせぐために昼食以外の長い休憩はとらなかったせいで計10時間歩き通すはめになった。かなりしんどかった。ガイドブックやネットに載っていないルートにはそれ相応の理由があるんだなあということがよくわかった登山だった。

普通にアルプス

登山開始から3時間は熊笹のなか、さらに2時間は低木の中を歩かされ、アルプス感はほぼゼロだったが、稜線(胸突の頭)に出た瞬間、ハイマツが生い茂る典型的なアルプスの景色が広がった。

中央アルプスは初めてだったが、その景色に感動した。東西南北に高く険しい山が望めるのだ。茶臼山から北に北アルプス・経ヶ岳、西に御嶽山、南に中央アルプス主峰(駒ケ岳他)、東に八ヶ岳南アルプス・富士山。

いままで北アルプス、とくに北ア南部ばかり経験してきたが、このような景色は経験したことがない。というのも、北ア南部の場合、西に高い山はあまり望めないからだ。北アはいわば「360度の景色を見下ろす」山であり、対して中アは「360度の景色を見渡す」山なのである。

避難小屋

避難小屋の大樽小屋。わりと綺麗でビバークも快適そう。

1975年、伊那中学の落雷事故現場

白川分岐からすこし上がったところにある碑。

行程

  往路 復路
林道ゲート 0630 1645
↓  ↑ 
駒ケ岳登山口 0825 1545
↓  ↑ 
白川分岐(尾根筋) 0925 1515
↓   
大樽小屋(避難小屋) 0955 ↑ 
↓   
胸突八丁(信大演習林道分岐) 1015 1440
↓  ↑ 
六合目 1045 1415
↓  ↑ 
津島神社 1115 1400
↓  ↑ 
胸突の頭 1155 1335
↓  ↑ 
茶臼山山頂 1245 1315
(大休止30分)