こにしき(言葉・日本社会・教育)

関西学院大学(2016.04~)の寺沢拓敬のブログです(専門:言語社会学)。

De Swaan: 世界言語システム論と Q-value

Abram de Swaan の Words of the World を読了。 Words of the World: The Global Language System作者:De Swaan, Abram発売日: 2002/01/21メディア: ハードカバー アブラム・デ・スワーン、オランダの社会学者。言語社会学者というわけではなく、広い意味で…

OneDrive共有リンクの「編集を許可する」は、編集権限の付与だと理解していないと悲しい事故が起きる

オンライン授業の一環で、MSオフィス系ファイルを本学のOneDriveで配布していたところ、何度も事故が起きました(以下に説明)。 同僚の方々に協力していただき、いろいろ検証した結果、私が OneDrive共有リンクの考え方を根本的に勘違いしていたことがわか…

英語教育において良いエビデンスを得るためのリサーチデザイン:内的妥当性・外的妥当性(その3)

以下の記事のつづきです。 どれだけエビデンス概念を英語教育に適用できるか/できないか(その1) - こにしき(言葉・日本社会・教育) どれだけエビデンス概念を英語教育に適用できるか/できないか(その2) - こにしき(言葉・日本社会・教育) どれだけ…

英語教育において良いエビデンスを得るためのリサーチデザイン:内的妥当性・外的妥当性(その2)

以下の記事のつづきです。 どれだけエビデンス概念を英語教育に適用できるか/できないか(その1) - こにしき(言葉・日本社会・教育) どれだけエビデンス概念を英語教育に適用できるか/できないか(その2) - こにしき(言葉・日本社会・教育) どれだけ…

英語教育において良いエビデンスを得るためのリサーチデザイン:内的妥当性・外的妥当性(その1)

以下の記事のつづきです。 どれだけエビデンス概念を英語教育に適用できるか/できないか(その1) - こにしき(言葉・日本社会・教育) どれだけエビデンス概念を英語教育に適用できるか/できないか(その2) - こにしき(言葉・日本社会・教育) どれだけ…

どれだけエビデンス概念を英語教育に適用できるか/できないか(その3)

以下の記事のつづきです。 どれだけエビデンス概念を英語教育に適用できるか/できないか(その1) - こにしき(言葉・日本社会・教育) どれだけエビデンス概念を英語教育に適用できるか/できないか(その2) - こにしき(言葉・日本社会・教育) 医療と教…

どれだけエビデンス概念を英語教育に適用できるか/できないか(その2)

昨日の記事の続きです。 どれだけエビデンス概念を英語教育に適用できるか/できないか(その1) - こにしき(言葉・日本社会・教育) 英語教育研究との接点 では、英語教育研究がEBPPから(批判的に)学ぶには、どの論点に焦点化することが生産的だろうか。…

どれだけエビデンス概念を英語教育に適用できるか/できないか(その1)

某原稿の断片です。 本章では、英語教育研究が、いかにして「エビデンスに基づく実践・政策」(evidence-based policy and practice, 以下EBPP)と接続(不)可能かどうかを論じる。 運動としてのEBPP EBPPの源流は1990年代の「エビデンスに基づく医療」(EB…

小学校英語を成功に導く要因、事例研究(Hayes, 2014)

David Hayes (2014) Factors influencing success in teaching English in state primary schools. London: British Council. ブリティッシュ・カウンシルのサイトからDL可能 本書の目的はタイトルの通り、小学校英語を成功に導く要因について。文献研究中心…

『小学校英語のジレンマ』の内容のうち、どこが新しいのか?

拙著『小学校英語のジレンマ』が発売されました。 小学校英語のジレンマ (岩波新書 新赤版 1826)作者:寺沢 拓敬出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2020/02/22メディア: 新書 先日の記事でも触れたとおり、ページ数の制約により「あとがき」が設けられず、私…

Kaplan et al. (2011) 言語政策を失敗させる12の要因

以下の論文の読後ログ。 Robert B. Kaplan , Richard B. Baldauf Jr & Nkonko Kamwangamalu (2011) Why educational language plans sometimes fail, Current Issues in Language Planning, 12:2, 105-124. https://doi.org/10.1080/14664208.2011.591716 12…

Butler (2015) 東アジアの幼少英語教育研究レビュー(および小学校英語研究の体系化について)

以下の論文の読後ログ。 Butler, G. Y. (2015). English language education among young learners in East Asia: A review of current research (2004-2014). Language Teaching, 48(3), 303-342. https://doi.org/10.1017/S0261444815000105 内容 過去10年…

「あとがき」に入れる予定だった小学校英語教育論ブックガイド

2月22日に、拙著『小学校英語のジレンマ』という岩波新書が発売される。 小学校英語のジレンマ (岩波新書)作者:寺沢 拓敬出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2020/02/22メディア: 新書 調子に乗って草稿を書きすぎたせいでページがかつかつで、削りに削って25…

岩波新書から『小学校英語のジレンマ』という本が出ます(2020年2月)

来月(2020年2月)、岩波新書から『小学校英語のジレンマ』という本が出ます。 www.iwanami.co.jp 新書版でおよそ250ページ前後。全9章(実質11章)で、大学のゼミの課題図書にもぴったり! 中学・高校レベルの政治経済の知識が必要なので、当の小学生が読む…

2019年に書いた本(5冊)

2019年の振り返りです。今年は5冊出しました。18年と17年の振り返りをするのを忘れていたので、ついでに記します。 2019 『教育大の学生はなぜ毎年同じタイトルの卒論・修論を書くのか』 『なぜ一般人男性はモテるのか?〜アイドルと結婚したかったら一般人…

朝日新聞からインタビューを受けました。

朝日新聞から大学入試改革問題に関してインタビューを受けました。 www.asahi.com

新刊 綾部保志編『小学校英語への専門的アプローチ』に寄稿

先週発売の綾部保志さん編著による『小学校英語への専門的アプローチ:ことばの世界を拓く』(春風社)に寄稿しました。 私は、 第2章 「なんで小学校英語やるの?」―基礎知識としての英語教育目的論 を執筆しました。 詳しくは以下を御覧ください。 www.shu…

読売新聞「回顧2019論壇 今年の論考ベスト3」に拙稿

12月16日の読売新聞「回顧2019論壇 今年の論考ベスト3」欄にて、慶應義塾大学の中室牧子さんに拙稿「『グローバル化で英語ニーズ増加』の虚実」(『中央公論』8月号)をあげて頂きました。 ありがとうございます。 同論考は以下にも再録されています。 間違…

留学斡旋会社タクトピア (@taktopia) 創業者で『英語ネイティブ脳みそのつくりかた』の著者、グローバル教育革命家 白川寧々さんに「エセ学者」と言われました。

著書に『英語ネイティブ脳みそのつくりかた』をお持ちで、留学斡旋会社タクトピア創業者で、グローバル教育革命家*1の白川寧々さんに「エセ学者」と言われました。 とある人から以下のFBのポストを教えてもらったところ、たしかに、『英語ネイティブ脳みその…

JACET関西支部大会(11月16日)で講演します。

2019年11月16日に同志社大学で開かれる 2019年度JACET関西支部大会で講演します。 私の講演タイトルは、外国語教育政策研究の理論・方法です。 要旨は以下。 本発表では、外国語教育政策における研究上の空白領域を問題点として指摘し、対案としてより妥当な…

原稿の墓場。超長文。小学校英語論争

みんなお待ちかね、原稿の墓場シリーズ!!! 今回は某書を執筆していて章を丸ごと削りました。 暫定で墓場にはいってますけど、受け入れてくれる媒体を絶賛募集中です。でも、まあ、所属先の紀要が無難かな。文体が学術さに欠けるのにはちょっと不安がある…

岩波書店『世界』11月号「英語の教科化という迷走」

8日発売の岩波書店『世界』11月号に「英語の教科化という迷走」を寄稿しました。小学校英語政策を批判的に論じています。 https://www.iwanami.co.jp/book/b482287.html 最後は 第二次安倍政権以降の小学校英語改革は、英語教育施策としての問題にとどまらず…

原稿断片の墓場――学習指導要領解説(2017年発行)の改革根拠をめぐる記述に対する批判

みんなお待ちかね、原稿の墓場シリーズ!!! 第2節 教科化・早期化を批判的に考察する 第1章から前節までは、これまでの政策過程・歴史的経緯に注目し、いきおい政策の内容に関しては踏み込んだ価値判断を控えてきた。 一方、本節では、本書執筆時点で最新…

現行断片の墓場――2010年代のJASTEC・JESの学会アピール

みんなお待ちかね、原稿の墓場シリーズ!!! ここまで、2010年代の政策過程を見てきたが、以下より政治の外の動きを見てみよう。 本節で学界の状況、次節で社会的な動向を見ていく。 学界動向 学術的な動きとしては、結論から言えば、2000年代のような激し…

原稿断片の墓場―2013年の小学校英語政策過程

みんなお待ちかね、原稿の墓場シリーズ!!! 2013年12月 グローバル化に対応した英語教育改善実施計画 ところで、早期化・教科化の提案は閣議決定である以上、非常に重いものである。 たしかに、前節でみたとおり、これまでも教育再生会議・教育再生懇談会…

原稿断片の墓場――小学校英語と戦略構想・行動計画

みんなお待ちかね、原稿の墓場シリーズ!!! 戦略構想・行動計画 2002年度は、日本の英語教育政策史の面で非常に大きな変動があった年である。 文科省は、7月12日に「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想の策定について」を発表し、さらに年度末…

原稿断片の墓場:「教育は会議室で起きているんじゃない(以下略)」

みんなお待ちかね、原稿の墓場シリーズ!!! 小学校英語のジレンマを適切に把握するには、そのジレンマを生じさせている、タテとヨコの制約条件を理解しなければならない。 タテの制約とは歴史条件のことである。 あらゆる制度改革と同様に、小学校英語もこ…

調査データリテラシーの発達段階

社会状況に関する調査データをいい加減に引用する英語教育学者はたまにいて、院生の頃から忸怩たる思いであった。先生方・先輩方、何やってるんですか、研究ごっこはやめてくださいと。 データの文脈もわからずエビデンス(笑)として引用するというのは、ま…

アルク復刊『日本語』のコラムに少しだけ

9月6日に発売のアルク『日本語』(休刊した『日本語ジャーナル』の復刊版)に、日本語教育推進法関連のコラムに登場しました。 「隣接領域からのエール」ということで、英語教育政策を研究している人間としてコメントしました。 ごく短いコラムですし、私自…

原稿、下書きの墓場:「小学校英語推進派は一枚岩ではない」

書いていたときはノリノリでしたが、後から読んだら、はっきり言ってあまり意味のない議論だと悟りました。 というわけで、ばっさり削除しました。 ブログ記事にすることで供養とします。 1.0. 小学校英語推進派は一枚岩ではない 日本社会全体が小学校英語を…