こにしき(言葉・日本社会・教育)

関西学院大学(2016.04~)の寺沢拓敬のブログです(専門:言語社会学)。

大学院・学会に出没する虚言癖の人にご注意

大学院生へのアドバイスシリーズ!(過去記事:
学会発表での不規則質問(大演説)への対処 - こにしき(言葉・日本社会・教育)



新大学院生(M1)へのアドバイスなるものをよく聞く。

教員との距離のとり方、同期・先輩との人間関係、DCへの応募、メンタル管理などなど。
そんななかで「先輩院生や学会に出没する自称研究者のなかにはひどい虚言癖がいるから気をつけろ」というアドバイスはめったに聞かない。

でも、これはけっこう大事だと思う。実際、分野によってはけっこう被害者は多いはずだよね。


虚言癖の院生、(自称)研究者の特徴

  • 応用系・実務系にいる。基礎研究系にはめったにいない(たぶん)
  • 実在しない史料や研究論文、分析手法、理論について話す
  • 著名な学者と知り合いだと嘘をつく
  • 「君のことをみんな褒めていたよ」「●●先生のことなんてみんな相手にしていない」「××の研究はアメリカでは完全に時代遅れ」のように、評判を捏造する

で、共同研究に誘ったり、実現可能性の薄い「若手ワークショップ」等の企画を持ちかける

詐欺師型虚言
すぐワークショップ企画や共同研究をやりたがる人(手段の目的化)に多い。人手を集めたいがために、つい実在しない研究業績(私は○○の研究をしてるんだ)とか虚偽のコネ(実は飲み仲間なんで、あの○○先生も呼べると思う)を言ってしまう。
マウンティング型虚言
たとえば議論が白熱すると、自分に知識があることを見せつけるために、ついカッとなって実在しない研究について論じてしまう。あるいは、「××という研究者を似非学者だとみんな言っている」と嘘の評判を言ってしまう。「××学科の助教の佐藤さんも言ってたよ」と他人を巻き込んでくるので超迷惑(笑)
リップサービス型虚言
不安になっている院生を励ますために、つい実在しない先行研究を教えてしまう。あるいは、「君が注目している××の研究、アメリカではものすごく流行っている」と学問的トレンドを捏造してしまう


ポイントは、騙してやろうという悪意がないことだ。とくに3番目は「頼れる先輩」という感じで虚言を吐いてくるので侮れない。

実務学問の雄(?)、教育研究はこういう院生(OD?)がほんとうによくいてマジでやばい。もっとも、人を動かす(物理的にも信念的にも)ことが評価されやすい領域なので、こういう人が排除されにくいのは当然のことではある。


そういえば私がオックスフォードにいたとき、詐欺師っぽくてすごく胡散臭い「自称院生」がけっこういた(おそらくオックスフォード大の学生ではたぶんなく、オックスフォード市内の語学学校に通っているだけとかあるある)。東大周辺でも似たような話はよくきく。国内的には東大・京大、国際的にはオックスブリッジ、ハーバード、MITの周辺は、大衆的な知名度が高いあので、虚言癖に注意をしたほうがよいのではないか。



というわけで、新院生のみなさん、虚言癖に気をつけましょう。大学院入学式の祝辞で言おうかしら。