書名はアレだけど(たぶん編集者がつけたんだろう)、良書。勉強になった。
- 作者: 牟田和恵
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/06/14
- メディア: 新書
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以下、勉強になった点、おぼえがき(おぼろげ)
- セクハラ認定はプロセス重視
- セクハラ認定の大半は、たとえば殺人・窃盗等のように事実関係が争点ではなく、被害者感情をめぐる比較的長期間のプロセスが総合的に判断される。そのため、狭い意味での冤罪はほとんどない。ただし、ハッラサー(ハラスメント加害者)が「冤罪」だと思いこむ場合はむしろ大多数。
- セクハラは就業環境の「修復」要求
- 被害者がセクハラを訴える場合は、強姦や暴行でない限り、就業環境・学習環境の「修復」の要求であって、加害者を罰することが目的ではない。訴えられた場合、そうした「修復」作業のスタート地点に立っていると考えるのが妥当。
逆に言えば、就業環境・学習環境が悪化されたと被害者が思い、第三者もそれを認めたからこそ、セクハラの訴えが起こされる。したがって、「当初は合意だった」とか「恋愛関係にあった」という事実では免罪には成らない。事実として、就業環境・学習環境の修復の必要性が生じているのだから。