こにしき(言葉・日本社会・教育)

関西学院大学(2016.04~)の寺沢拓敬のブログです(専門:言語社会学)。

JASELE2016 寺沢の発表資料等

発表者・タイトル・日時場所

寺沢拓敬. (2016).「英語教育学における『実態調査』の批判的検討」(全国英語教育学会2016年8月20日13:30-13:55. 第25室)

要旨(361文字)

本発表の目的は、英語教育学で頻繁に行われている「実態調査」の問題点を検討し、より良い実態解明の方法論を提案することである。なお、「実態調査」は次の3条件を満たすものと定義する。(a)対象:英語指導に直接関与するアクター(例、教員および学習者)が対象。(b)一般化志向:特定の現場を前提にした調査で、理論上の一般化は志向しない。(c)分析方針:調査データをボトムアップ的に分析する(あらかじめ設定した比較的少数の問いを検証するわけではない)。本発表では、(1)先行研究の実態調査の多くがアンケート(多肢選択にせよ自由記述にせよ)によるものである点を確認し、(2)アンケートは特定の現場の実態記述には向かない点、および、(3)アンケートの「流行」の陰で、インタビューをはじめとした質的研究手法が不当に軽視されている点を論じる。

予稿集原稿(pdf)

以下のリンクから閲覧・ダウンロードして下さい。

当日言及する予定の文献

  • 佐藤郁也著『社会調査の考え方 上巻』(東京大学出版会、2015)
  • 寺沢拓敬著『「日本人と英語」の社会学』(研究社、2015)
  • 樋口耕一著『社会調査のための計量テキスト分析』(ナカニシヤ出版、2014)
  • 前田拓也ほか編『最強の社会調査入門』(ナカニシヤ出版、2016)