寺沢ゼミ 2019年度 社会学実習 (水曜3限)
本を読んで報告。
こころがけとしては精読よりも多読。(あくまでこころがけ)
課題文献
☆の意味
- 星1個文献は一人で報告。2個は最大2人。3個は最大3人。以下同様。
目安
社会言語学概論
石黒圭 (2013) 『日本語は「空気」が決める:社会言語学入門』光文社
- ☆☆
- 新書で社会言語学の入門書は少ないが、その数少ない例外がこれ。
白井恭弘 (2013). 『 ことばの力学――応用言語学への招待』
言語習得
Ellis, Rod. (1997). Second Language Acquisition. Oxford University Press.
- ☆☆☆
- 第二言語習得の初歩の初歩として世界的なベストセラー。内容はものすごく平易だが、英文なので☆3つ。
バトラー後藤裕子 (2015). 『英語学習は早いほど良いのか』岩波書店
- ☆☆
- 早期英語学習の科学的議論に興味がある人向け
白井 (2008). 『外国語学習の科学:第二言語習得論とは何か』
- ☆☆
- 第二言語習得論という分野について、日本の新書ではじめて論じたもの。
英語教育の制度・政策・歴史
大津由紀雄・鳥飼玖美子 (2002) 『小学校でなぜ英語?:学校英語教育を考える』岩波書店
- ☆
- 20年近く前の本だが、今でも小学校英語反対論を理解するうえで重要な本。
南風原朝和 (2018) 『検証 迷走する英語入試:スピーキング導入と民間委託』岩波書店
- ☆
- 近年の大学英語入試改革を理解したい人向け。
寺沢拓敬 (2014). 『「なんで英語やるの?」の戦後史』研究社
- ☆☆☆
- 中学校の英語はなぜ必修になったのか、歴史的に分析したもの。寺沢の博士論文がベース。
伊村元道 (2003) 『日本の英語教育 200年』大修館書店
- ☆☆☆
- 日本の英語教育史を江戸時代(とくに末期)から現代まで初学者向けに説明したもの。
平田雅博 2016 『英語の帝国 ある島国の言語の1500年史』講談社
- ☆☆☆
- 英語(イギリス語)の拡散状況を歴史的に検討したもの。基礎的な世界史(とくにイギリス史)の知識は必要かもしれない。
寺沢拓敬 (2015). 『「日本人と英語」の社会学』研究社
- ☆☆
- (注)演習で扱わなかった章を中心に全体をレビュー。6月以降
フィリプソン, ロバート. (平田雅博ほか訳) (2013).『言語帝国主義』 三元社(原著は1992年)
- ☆☆☆☆
- 政治・経済・文化の様々な面で英語が一人勝ちしている。この英語支配状況を批判的に検討したもの。30年近く前の著作だが、世界中の研究者・学生が読んでいる超重要文献。国際政治(とくにアメリカ・ヨーロッパ)の知識が必要で手強いが、多少なりとも読んだ経験があれば誇れる。
言語と社会
中村桃子 (2007) 『 “性”と日本語―ことばがつくる女と男』NHKブックス
- ☆☆
- ジェンダーと言語の関係に興味がある人向け。
田中克彦 (1981) 『ことばと国家』岩波書店
- ☆☆
- 1981年刊。もはやこの分野の古典。
鈴木義里ほか編 (2002) 『論争・英語が公用語になる日』中央公論新社
田中ゆかり (2011) 『「方言コスプレ」の時代――ニセ関西弁から龍馬語まで』岩波書店
- ☆☆☆
- 方言の持つ社会的機能について興味がある人向け。タイトルは柔らかいが内容は硬め。
田中克彦 (2007). 『エスペラント:異端の言語』岩波書店
- ☆☆
- エスペラントはザメンホフという医師個人が作り上げた言語、つまり人工言語である。人工言語とは一体何か。人工言語はどのように人々に必要とされてきたのか。単なる言語の解説ではなく、思想的・歴史的背景を掘り下げながら解説する。