こにしき(言葉・日本社会・教育)

関西学院大学(2016.04~)の寺沢拓敬のブログです(専門:言語社会学)。

「英文和訳」から「カジュアル翻訳」(超訳)へ

「英文和訳」が想定する読者は、ほとんどの場合、評価者です。元の英文を既に知っている教師や採点者が、「訳者が構文や語彙を適切に理解しているかどうか」を判断するからです。


しかし、英語学習そのものは目的としておらず、むしろそれ以外の様々な目的を達成するための手段として「訳す」(あるいは「訳してあげる」)場合、想定する読者は、ふつう、原文を知りません。ですから、必然的に「英文和訳」とは異なるアプローチが必要です。というわけで、本授業(千葉商科大・政策情報・英語2B)では、中高と6年間行ってきた「英文和訳」とは、また別の「訳出作業」というものがあるということを実感してもらうために、「カジュアルな翻訳」をやってみました


原文は著作権の関係上載せませんが、テキストのリーディング教材をそのまま使っています。内容が少し、スピリチュアル臭いですが(笑)、カリキュラム進行上の偶然です。寺沢の趣味ではありません(笑)


正直に言えば、今までの授業でリーディングの部分の理解がイマイチだと思っていたので、学生にとって「カジュアル翻訳」もちょっと荷が重いかなと思っていましたが、そんなことは全然ありませんでした。予想を上回る出来のものばかりだったので、嬉しくなって、ここにアップした次第です(※学生の許可はとってあります)


「現代を伝える」

想定読者:江戸時代の人々

「フィッシングマスターへのエスコート」

想定読者:小学生

「自分たちが高校生に授業を行うとしたら」

想定読者:高校男子

「人生における4箇条を教える」

想定読者:中学一年

「ちゃっかり英才教育」

想定読者:5歳児

「村田満さんの人生観から学ぶこと」

想定読者:一般人(商大生)

「励まし的な…」

想定読者:意中の女性(落ち込んでいる)

「分かり切っていることをあえて伝える」

想定読者:不特定多数の人に送る東進(?)の広告