こにしき(言葉・日本社会・教育)

関西学院大学(2016.04~)の寺沢拓敬のブログです(専門:言語社会学)。

3章. 英語教科書執筆をめぐるアイデンティティポリティクス

以下の続き


Hardy, T. 2015. (Chapter 3) Identity, Place, and Language: Conflict and Negotiation in the Writing of an English Textbook for Japanese Secondary School Students. In: Horiguchi et al. (Eds.) Foreign Language Education in Japan, 35-49. Sense Publishers.

概要

教科書(New Crown)の執筆者として関わる。その内容(場面設定・登場人物・ターゲットとする英語変種等)を議論する中でのアイデンティティポリティクス。

3.1. Introduction

3.2. Issues and Context

分析法、理論や分析フィールドの説明

3.2.1. Identity
3.2.2. Fieldwork and methodology
3.2.3. The field
3.2.4. Stakeholders
3.2.5. MEXT
3.2.6. Teachers

3.3. Identities (Re)presented

登場人物の設定に関する様々な議論/論争→アイデンティティポリティクス
・教科書の舞台:日本?英語圏
・登場人物:日本人?(一話完結のユニットで登場人物を固定しないという案も)
・英語変種:ブリティッシュ?アメリカン?
・出身地域:日本人?英語国出身者?非英語圏出身者(中国、インド、ケニア、韓国、ロシア、インドネシア)←政治的情勢やアジア太平洋地域へのフォーカスということで、インド・中国が選ばれた。

3.4. Discussion

執筆者の間で、異文化理解との関連から沖縄やアイヌに関する議論が出ることはあったが、little reflection on the Japanese domestic colonial takeover of the Ryukyuan kingdom and Ainu culture, and little sympathy for the matters when fleetingly raised

3.5. Interpretation

・何度も「(この内容そのものは良いが)これでは採用者が採用しないから修正すべし」という意見が出た。 (gatekeepers not selecting this textbook)

・Overcoming Resistance: 「教科書執筆に多様性を混ぜ込むことで、地道な変革が可能」という意味?よくわからん。