こにしき(言葉・日本社会・教育)

関西学院大学(2016.04~)の寺沢拓敬のブログです(専門:言語社会学)。

大規模調査のSEM --- lavaan.survey() --- に関する覚書

この本の10章を読みながら、自前のデータを分析した。

共分散構造分析 R編―構造方程式モデリング

共分散構造分析 R編―構造方程式モデリング

サンプルデータでは何の問題もなかったが、自前のデータだと途端にエラーが吐き出されまくる。
エラー修正に苦労した。
というか、そもそも何がエラーなのかを特定することにものすごく時間がかかった。


というわけで、教科書には明示的には書いていないが、今回わかったことを自分用にメモしておく。

factor の変数が入ってると推定エラー

lavaan() だと factor (TRUE/FALSE) でも融通を効かせて、1/0変換で分析してくれるようだが、lavaan.survey() はそんなことはしてくれない

切片は明示的に指定しないと、0.00 を放り込まれる

ちゃんとモデルを記述してなかった自分が悪いんだけど、切片を指定したなかったせいで、パラメーター推定値がものすごいことになる。
たとえば、もともと beta = 0.10 程度だった標準化回帰係数が 0.95にふくれあがったり、とか。

"ML" 最尤推定法は実質的に何もやってない

lavaan.survey() の estimator = "ML" で最尤推定法を行っても、

Estimator 'ML' will not correct standard errors and chi-square statistic.

こういうメッセージが出てくる。
seを再計算(修正)しないということは、実質的に何もやってない気がするんだがよくわからない。
"ML" の代わりに "MLM" を指定したら解決した。