こにしき(言葉・日本社会・教育)

関西学院大学(2016.04~)の寺沢拓敬のブログです(専門:言語社会学)。

オーラルアプローチの音声重視→「なあにかえって教養がつく」



大修館『英語教育』1957年11月号
「<座談会> 構造言語学と英語教育―Oral Approachの適用」
黒田巍・太田朗・伊藤健三・池永勝雅
pp. 338ff


うえの記事を読んでいて、標記のフレーズをおもいついたのだが、いま書く時間がないので、思いついたという事実をメモ。


簡単にいえば、オーラルアプローチの目標と、学習指導要領試案の目標(特に教養上の目標)は両立するという話。オーラルアプローチは、実用的/技術的なものではなく、言語教育の本質から言って教養的価値も内包する、。というように、「本質」という語が象徴するように、「正しいオーラルアプローチ」「正しい構造主義言語学」というレトリックで、「音声教育」と「教養」を接続。


岡倉由三郎的な意味での「教養」は、テクスト(特に英文学)に深く没入し身体化することで得られるものであったはずなので、「音声」への接続はけっこうなちからわざである。(と思うがきちんと読んでいないのでまた後日)